相手への贈り物は自分自身ーーつまり、自分の「聞く」と「話す」
2019年4月15日
バーバラ・キャッスルトン

エミリー・ケネディ・バーンズは開口一番、ランドマークワールドワイド社が提供する教育プログラムとコーチングを受けていなかったら、今の自分はなかったろうと語る。「人生で今起きていることはすべて、ランドマークのプログラムがなかったらあり得なかったことです」と言い切る。エミリーは、ランドマークの「生きることのためのカリキュラム」に始まり「説明会リーダープログラム」(ICLP)に至るまで、様々なプログラムに参加しスキルを培って人間関係や様々な困難や障害に対処してきた。現在はスタンダップコメディアンとして活躍している。また「Funny for a Woman」(女だから笑える)という人気のポッドキャストのホストを務めるかたわら、修士課程でデジタル・アンド・ビジュアルアーツを対象として研究を進めている。エミリーの人生は、さながら、歓喜と奮闘を日々生み出す、桁外れに創造的な実験室だ。
「Funny for a Woman」(女だから笑える)の誕生は数年前に遡る。英国のブライトン女性センターへの寄付を集めるため、エミリーが「ランドマーク・自己表現とリーダーシッププログラム」(SELP)参加中に立ち上げたプロジェクトが、きっかけとなった。このプロジェクトでエミリーは、参加型のアクティビティやアトラクション、講演、展示ブースなど、盛りだくさんのコミュニティイベントを開催し、またプロジェクト推進のために20名の女性アシスタントを集めた。彼女たちは意欲的なパートナーとして、あらゆる場面でのコミュニケーション、イベントの創作、運営を担った。女性が、他の女性のためにコラボレーションを展開していく様子を見て、エミリーは、シスターフッド、つまり女性の連帯は強力なツールであることに気づき、そしてシンプルに依頼することから、「人間の活動」というエンジンが稼働し始め、物事が成就し、貢献につながることを実感した。
この取り組みや人生の様々な活動を通して、エミリーは制作やプロモーション、外部への情報発信などの経験を積み、やがてそれを何か新しいことに活かしたいという思いを強めていった。驚くまでもなく、エミリーのアイデアは、女性と彼女たちのストーリーに始まり、最終的には、ユーモアと芸術的センスに溢れた女性たちのストーリーへと昇華していった。英国に限らずどの国でも、コメディ業界は圧倒的に男性優位で、女性のコメディアンはわずか1割しかいない。ということは、女性独特のスタイルやメッセージ、そしてユーモアはいとも容易く失われ、誰の耳にも届かないということなのだ。「女だから笑える」は、そうした現実に対して、男性への対抗としてではなく、女性のための空間を呼び起こしていく。
エミリーは言う。「本当に多くの女性たちに触発されています。長年コラボを組んだ女性たちにも、話に聞いて尊敬するようになった女性たちにも」。だから「女だから笑える」のインタビュー候補者リストは何ページにもわたる、とてつもなく面白いものになった。シャルメイン・デイビスをゲストに迎えた第1回目の配信は、軽妙な掛け合いや笑い、雑談を交えて、ゲストの未来、現在、過去の活動を紹介するという基本的な構成で行われた。番組の後半でエミリーは、ゲストのコメディアンとしての駆け出し時代について深く掘り下げる。「7年前にスタンダップコメディに挑戦したあの女性(つまり当人)に対して、今なら何と言ってあげますか?」 その答えはゲストによって異なるのだが、みんな同じで、かつその人らしいものだ。

その質問にシャルメインはこう答える。「スタンダップコメディの世界に入って、本当にこの業界の現実に目を開かされました。とても孤独で狭い業界なのです。他の出演者と一緒のステージに立っていても、頼りになるのは自分だけです」。
これは他の多くの分野に当てはまる現実だが、まさにそこが、私たちが成長を遂げなければならない場所なのだ。「女だから笑える」に登場する女性たちが提供しているのは、人間としての成長の物語、そしてオーディションの不採用を受け入れること、本心から語ること、世のためになることなどを学ぶ、入門コースのようなものだ。
エミリーの場合は、コメディ業界に身を置くようになってからまだ日が浅いし、子育てや学業、その他のプロジェクトによって時々やむを得ない中断が入っているが、筆者は彼女にも同じ質問をしてみた。「あなたなら、駆け出しの頃の自分に何と言ってあげますか?」 エミリーは間髪入れずに答えた。「もっと自由にしなさい、失敗に寛容であっても良いのよ、と言ってあげます。失敗への恐れを感じていても仕事に邁進することを選んで欲しいの」。 このような学びは、スタンダップコメディの仕事だけでなく、大学の勉強にも、ポッドキャストの番組の充実にもあてはまる。どんな真剣な試みにも失敗は立ちはだかる。そしてその足元で、生まれかけた何百万ものアイデアがしぼみ、消えていったのだ。エミリーは、失敗への恐れを克服しようとしているのではない。失敗への恐れよりも自分の湧き上がる情熱の方を大切にしろ、と言っているのだ。コメディの世界で言えば「人々を笑わせたいという願いが、失敗への恐れに勝るようにせよ」ということだ。
エミリーのスタンダップコメディとポッドキャスト、どちらに対する反響も心温まるポジティブなもので、もちろん底抜けに面白い。そうした反響からエミリーは、「コメディのための外科ナイト」という番組を作った。飛躍したいが方法が分からないというコメディアンたち、素晴らしいアイデアを持っているがまだ発表する準備ができていないコメディアンたちを、経験豊富なコメディアンの鋭いメスが助けるという企画だ。最近エミリーは「女だから笑える」のフェイスブックページで、「#お笑い66日間」 (#66DaysOfLaughter )というキャンペーンを展開している。この二か月強のキャンペーンを、「生きていたら66歳を迎える母に捧げます」とエミリーは言う。読者の皆さん、ぜひそのページを訪問し、あなた自身のお気に入りの傑作漫画やジョーク、写真、自身の「大失敗」などを投稿していただきたい。また、「女だから笑える」アプリもダウンロードしていただきたい。
エミリー・ケネディ・バーンズは、コメディ業界の会話がジェンダーに左右されない日が来ることを目指して仕事に励んでいる。つまりコメディの興行と文化の両方で、男女の別なく、面白ければ等しく脚光を浴びる日が来ることを意図しているのだ。残念ながら、まだその日は訪れていない。だからこそ彼女は、オープンマイクの場で、録音機材の前で、そして全国各地の巡業の中で、ユーモアに満ちた、華やかで、女性的な世界を紡ぎ出し続けているのだ。

