記事 「聴く」ことのパワー

「話す」には生成的・創造的な力がある。そして、話すことを可能にするのは「聴く」という能動的な行動だ。                                                        

ランドマークワールドワイド
ブレークスルーテクノロジーコースリーダー
ブライアン・レグニア
ウィズダムコース部門の創立者、リーダー、戦略策定担当

コミュニケーションも会話も言語も、表現すること、あるいは発言すること、声に出すことであると見なされることが圧倒的に多く、またそのような理解が定着しています。曰く、外に向けて表現するということには、ただ話をすること以上の、また単に現実を言い表すこと以上の働きがある、という理解です。そして表現こそが、この世界の中で自分が「どういう」人間であるか、「どのように」この世界に存在するかを決定するのだ、と了解されています。

外に向けて表現していくからこそ、人間は未来を創造できるのだという理解です。表現するからこそ他者に何らかの体験を呼び覚ますことができるし、アイデアを明確かつ可能にできる、そして自らを人と分かち合うことができ、自らの関わりによって他者を拡大させられるのである、と。ところが、実際に物事が処理されるのは、話しているときではありません。「話す」ということには十分なパワーはありません。境界を超えるということが存在しうるという可能性、つまり衝撃の可能性は、私たちの「聴く」の中に存在するのです。

私たちは「聴く」という行為を受動的な行為だと考えがちです。つまり、大切ではあるが二義的なこと、より下位のことであると。しかし、話すということが発生できるのは「聴く」という空間の中なのです。「聴く」がなければ、「話す」は存在しません。

「聴く」は行動です。「受け身」どころか、大変に能動的な行為です。聴くが話すを創造するのです。聴くというのは、話を受け取ることではありません。話す、の受け皿ではありません。聴くことが「話す」を与えるのです。「聴く」は、意味や理解のための可能性です。「愛されている」という可能性は、その人の聴き方の中に存在します。「学ぶ」という可能性も、聴き方の中で生きられます。聴くことが他者の存在を可能にし、話者も話されている内容も、「聴く」ということの中で命を得て存在し、花開いていくのです。


ブライアン・レグニア
(ランドマークワールドワイド・ブレークスルーテクノロジーコースリーダー)

 

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