創造的行為−−自由の切っ先

ランドマークワールドワイド

ブレークスルーテクノロジーコースリーダー

ローレル・シーフ

「自由」というと私たちは大抵、何かからの自由とか、何かの自由、または、何かをする自由、何者かである自由、などを思い浮かべる。あるいは、様々な代替案を並べて、その中から選びとることが自由だと思っている。『しかし自由とは、そのような範囲を遥かに超えたものだ。自由とは、全く新しい可能性の集合を生み出すことによって自分自身を再定義できること、ひいては現実を丸ごと再定義できることだ。歴史は、そのような再定義によって、つまり新しい世界を開いてくれるような創造的行為によって転換する。その意味において、創造的行為は、自由の空間を切り開く切っ先であると言ってもいいだろう。その働きによって私たちは、歴史の流れの中で、世界と自分自身とを再定義してきたのだ』*

 

*ロバート・グルディン著『The Grace of Great Things: Creativity & Innovation』より

 

自由はその他の現象とは異なる。自由は、物事というよりも、状態に近い。取捨選択とは何の関係もない。自由は次元を要求する。限られた可能性の世界の中で動かそうとすると、自由は決して自由そのものとしては出現できず、必ず何か他のものへと歪められてしまう。自由は、過去・現在・未来というような時間の中にあるものではない。止まることがないのだ。ちょうど「数」が数を与えるのを止めることがないのと同じく、あるいは、芸術が過去を新しい仕方で模倣している訳ではないのと同じく。強制するものは何もない、ただこの驚嘆すべき自由がある。自由とは選択のことだ。優れて人間的なものである、創造する能力のことなのだ。