記事 ランドマークワールドワイドの卒業生、ルルレモン創業者チップ・ウィルソン氏が、今までにもらった最高のアドバイスについて語る

人気ブランドの創業者が、「人に依頼すること」に違いを作った。米ニュースサイトのインタビュー記事。                                                        

チップ・ウィルソン氏はルルレモンを創業し、多くの熱烈なファンを魅了する巨大アパレルブランドへと育て上げた。その後2005年にCEOを辞し、2012年には「イノベーションとブランド」部門の責任者のポジションも辞した。

ウィルソン氏は同社の会長職に留まったものの、新しい事業も手がけている。例えば、妻でありルルレモンのチーフデザイナーだったシャノンさんを共同創業者とする瞑想を使ったトレーニング会社、ウィル(whil)もその一つである。

ウィルソン氏は、米ニュースサイト『ビジネス・インサイダー』の最新インタビューの中で、これまでに得た最高のアドバイスについて、以下のように語る。

「そのアドバイスを理解できるようになるまで長い時間がかかりました。それは『人に助けを求めろ』です。私はちっとも分かっていませんでしたが、人は人を助けたいのです。一人で何もかも知っていなくてはならないという不安の中で生きる必要はありません」

決して誤りを認めず、すべてを自分でやってしまおうとする、ウィルソン氏の性癖は、相当に根深いものだった。

ウィルソン氏は、執筆中の自伝『40,000 Days and Then You’re Dead(訳注『4万日生きて大往生』)』(同書は章ごとにオンラインで公表)で次のように記している。「私が12歳の頃、両親が離婚手続き中で生活費がなかった。本当に苦しかった。家に食べ物が全くないこともあった。私は、小切手に母親のサインを偽造し、店に行ってその日の昼に食べる物を買おうと決めた。私はその瞬間、自分にこう言った。『生き抜くためには、自力でやっていかなくちゃいけない。人には頼れない—―特に親には』」

他人との間の壁は、もっと幼いころから感じていたそうだ。低学年で飛び級して上のクラスに進んだため、周りの子よりも年下で、常にのけ者にされたと、ウィルソン氏は書いている。

この、誰にも頼らず一人でやるという姿勢がウィルソン流の「勝利の方程式」となり、後に、初の事業であるウェストビーチ社創設という具体的な成果として実を結んだ。

「私は周りの誰にも頼ろうとせず、人に助けや支援を求めること、相談することを自分に禁じていた。ところがそういうやり方は、三人で共同事業を為すときには、深刻な問題を引き起こす。事実、私はある事業の経営権を移譲することができず、それがウェストビーチ社の存在自体を危険にさらすひとつの要因となった」

ウィルソン氏がついにこの問題を明確に区別したのは、1991年、共同経営者に紹介されて「ランドマークワールドワイド・ブレークスルーテクノロジーコース」という週末ワークショップに参加したときだった。プログラムの概念自体は目新しいものではなかったが、その提供のされ方ゆえに、彼はこの問題に、初めて自ら変化を作り出すことができたのだった。

ランドマーク・フォーラムは、ウィルソン氏の事業経営にも生き方にも「不滅」の影響をもたらした。その学びの真髄は、「人間の人生は、過去や、幼いころに学習した行動などによって規定される。それが今現在における変化や存在を困難にする」ということだった。

「人は、この世界を理解しようとして、絶えずいくつもの物語(ストーリー)を紡いでいる。その物語を通して他の人の言動を解釈するのだが、どの物語も本質的には虚構であることを認識することはできない。状況に関する最有力の推測にすぎないものが、本人の頭の中では事実となってしまう。私たちは、そうした推測が真実であると信じて、それに基づいてどう生きるかを決める。時を経るごとに、物語は蓄積して私たちをどんどん束縛していく」

ウィルソン氏は気づいた。ランドマーク・フォーラムを介して自らの課題に向き合うことによって、自分自身が変われるということに、そして、より建設的な世界観を採用できるのだと。

ランドマークワールドワイド・ブレークスルーテクノロジーコースに参加していなかったらルルレモン社の存続は危うかったかもしれない。ウィルソン氏は当時、既にウェストビーチ社を売却して会社から去っていた。しかし同社の経営陣は、難局を乗り切るために、氏を高給で呼び戻した。その高給が、創業間もないルルレモン社を存続させるために欠かせない資金となったのだ。

「私がどれくらい別人になったかという証拠を一つ挙げれば、それは、自分が創ったルルレモンという会社をシャノンとジャッキーとデイブの三人に任せて、ウェストビーチ社に戻れたことだ。決して簡単なことではなかった。もしランドマークワールドワイドのプログラムに参加していなかったら、絶対にできなかっただろう。そして、これをやらなかったら、創業間もないルルレモンは、21世紀に入るか入らないかのうちに潰れていただろう」

すべてを自分で仕切ることに慣れている実業家にとって、コントロールするのを止めたり、友人やメンターに助けを求めたりするのは、信じられないほど困難なのだ。だが、ウィルソン氏の大成功はまさに、そこを学ぶことの重要性を教えてくれる。

 
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