ゲルハルト・リップル 仕事の世界にインテグリティを持ち込む
ゲルハルト・リップル
「仕事の世界にインテグリティを持ち込む」
2019年10月21日
会社全体をエンロールするために、分かち合いと立場を取ることのパワーを現実化する
マレーシア在住のドイツ人エンジニアが、シンガポールでランドマークの説明会に参加した…
マレーシア在住のドイツ人エンジニア、ゲルハルト・リップル
これは人目を惹く面白い逸話ではなく、見事なトランスフォメーションの物語である。ランドマーク卒業生のゲルハルト・リップルにとっては、トランスフォメーションこそが何よりも大切なことだ。
「自分は、会社に対して語りかけることができるし、本当に会社のために立場を取ることができると分かりました」
ゲルハルトはマレーシアに駐在中のドイツ人エンジニアだ。彼が身を置くのは半導体業界で、曰く「高度に技術的で、徹底的に数字を扱う極めて精密な仕事」だそうだ。ランドマークを体験したゲルハルトは、今とてつもなく大きなことに取り組んでいる。インテグリティを基盤として用いて、3000人の同僚たちを力づけていこうとしているのだ。
ゲルハルトは、マレーシア着任当時、ランドマークのことは知らなかった。全くの偶然からランドマークと出会い、後になってそれが自分の人生の転機だったと悟る。彼はこのように語る。「妻は、シンガポールで、ランドマークフォーラムの説明会リーダーをしています。結婚前、彼女は今と同じく説明会をリードしていましたが、もっと会う時間が欲しかった私を説明会に招待してくれたので、私はその招待を受けました。その説明会で私はランドマークのコースに申し込むことに決めました。お金と時間以外に大して失うものはなかったからです」
説明会リーダー養成プログラムの仲間と一緒にポーズを取るゲルハルト・リップル(写真中央)
ゲルハルドは、参加して嫌だったら途中で止めればよいと思いながら、説明会への招待に続いてコースに申し込むかどうかの質問にもイエスと答えた。故郷から遠く離れた異国の地で開催されるフォーラムに申し込んだのだ。実際には途中退場どころか、その二、三ヶ月後にはアドバンスコースを完了し、その次に説明会リーダープログラム(ICLP)にも参加した。参加中に体験したブレークダウンやブレークスルーについて、彼は笑顔と共にこうシェアしてくれた。「一時期、ランドマークを、スター・ウォーズのダース・ベイダーのように、悪者として見ていたこともあったんですよ。ところが、プログラムの奇跡ですね、人生で取り組んでいたことから目を逸らすための、私自身の勝手なでっちあげだと気づきました。何をするかしないかは、自分が選択しているのです。」
仕事にインテグリティを持ち込む
ゲルハルトには、自身の人生でインテグリティという分野にブレークスルーを作っていくうちに、仕事の世界をトランスフォームする様々な機会も見えてきた。何がゲルハルトにとっての最大の気づきだったか? 「人を可能性にエンロールすることと、人を直そうとすることの違い」だ。職場には、多くの場合、コミュニケーションの断絶が蔓延している。そして、経営者は従業員を可能性に感化する代わりに、よかれと思って「直そう」とする。しかしゲルハルトの言葉を借りれば、「実際には、それでは何も直せない」のだ。
「発見したのは、どんな状況であれ人をエンロールしたいときは、その人が今何を扱っているかに耳を傾けることが実に役立つ、ということでした。これは日常的に助けになっています。私は観察は得意ですが、聞くのは上手ではないので」。「聞く」ということに新たに取り組むと、世界は広がっていった。ゲルハルトは今、同じことが社内の全員に起きて欲しいと願っている。ただ願うだけでなく、その思いが高まって、最近会社の重役向けにプレゼンを行なったのだ。インテグリティを会社の価値観の根本に据えて、全社員をインテグリティの可能性にエンロールすることがいかに役立つかについて役員に語ったのだ。「東南アジアは今はまだ大量生産が中心ですが、これからもっとイノベーションが必要になります。そして、いま、イノベーションの会話に必要なのに欠けているのがインテグリティだと思います」
ゲルハルト作成の「会社全体として得られること」についてのプレゼン資料から抜粋
会社全体として得られること
コスト削減および便益向上
・社員が、既成概念にとらわれず、新たな行動を起せるようにする
・社員の自発性が高まり、進んで会社の未来の創作に参加するようトランスフォームする
・インテグリティを会社の価値観の根本に据える
ランドマークに参加する前であれば、これは「絶対に不可能なこと」でした、とゲルハルトは言う。しかし今彼は会社の経営陣を自分のビジョンにエンロールしようと決意し、会社のインテグリティを高めることに取り組んでいる。彼のプレゼンテーションには『コスト削減および便益向上』という項目があり、インテグリティを会社の中心に据えるべき主な理由が盛り込まれている。その一つは「会社の未来のための創作に人々が自ら進んで参加するようトランスフォームすること」だ。「東南アジアの特徴は、極めて多様な文化が共存していることです。物事がどのように動くか、また、どのように動くべきかについて、人々がそれぞれ大きく異なる見解を持っています」。ゲルハルトは、この視点の多様さに価値を見出している。そして、会社がその価値を包含するようになるのを願っている。従業員に力を与え、彼らが職場でイノベーションを起こし、新しい行動を生み出して実際に動き始めるようにしたいのだ。
ゲルハルト・リップルと妻のリ・ナル
仕事という世界を取り巻く人生、そして愛
ゲルハルトには妻がいる。あの初めてのランドマークの説明会に招待してくれた女性だ。「ランドマークは私たち2人の人生を大きく変えたのです」とゲルハルトは笑顔で話す。
ゲルハルトの妻のリ・ナルは近頃コミュニケーションコースに参加したばかりだ。彼女にとっては、コース後の夫との関係の深さが彼女のブレークスルーだった。ゲルハルトに言わせれば「それもまた私が学んだもう一つの重要なことです。それは、人に分かち合って初めて物事は現実になる、ということです」
*Landmark Forum News URL:
https://www.landmarkforumnews.com/gerhard-lippl-bringing-integrity-into-the-world-of-work/