子ども起業家、イーベイビジネスで慈善団体を応援
モンタナ州で一番賞賛されている小学生。それはガーデンシティ・モンテッソーリ・スクールの子どもたちだろう。同校は、慈善団体への寄付金を集めるオンラインビジネスを成功させ、地元のテレビや雑誌、さらにはイーベイ(国際的なオンライン商取引サイト)が発表するニュースで、1年生から3年生までの子どもたちの活動が紹介されている。これも皆、アリソン・チャップマンが多くの変化をもたらす教育プログラムを考案し創設したことから始まった。
十数年前だったら、チャップマンがこのようなプロジェクトを始めることなどあり得なかったろう。彼女曰く「子どもが好きでもなかった」のだから。
チャップマンはその後、ランドマークフォーラム* に参加して、自分が立派な親ではないかもしれないということを恐れていただけだと発見した。そしてランドマークフォーラムへの参加をきっかけに、全く新しい世界が開けてきたと言う。子どもたちに対して違いを作ることができるばかりでなく、人生をゲームとして、何を恐れることもなく真に生きることができると発見したのだ。
* 訳注)ブレークスルーテクノロジーコースの英語名
チャップマンは二人の子供に恵まれ、その後間も無くして学校活動にボランティアとして関わり始めた。そして2年前に臨時教員になった。昨年、1年生から3年生までを担当する教員助手としてガーデンシティ・モンテッソーリ校に採用され、そこで生徒たちのためのチームビルディング実習を考案する必要が出てきたのだ。
私たちはガーデンシティ・モンテッソーリ(GCM)の生徒です。
地元の慈善事業にお金を寄付するためにeBayで物品を販売しています。
売り上げは全額寄付されます。
ご協力ありがとうございます。
フェイスブックアドレスはGCMKids
私たちのイーベイサイトをご覧下さい。
チャップマンは、みんなで一緒にブロックを組み立てるといった基礎的なことをするのではなく、既存の枠組みからもっと大きく飛び出すようなことをしたいと思った。彼女自身が興味を持っていたイーベイに着目し、子どもたちがビジネスそのものを始めることができたらどうだろうと考えたのだ。これらならば、子供たちは学校で教わった事柄をユニークで実践的な仕方で強化し身につけられるだろう。
教師たち、校長、そして誰よりも大切な親たちがとても協力的だった。親たちは、新品か新品同様の衣類やゲームなど、あらゆるものを寄付してこのプロジェクトの立ち上げに助力してくれたのだ。
このプロジェクトでは、商品を販売して収益を慈善団体に寄付するまでのすべてのステップに子どもたちが参画するように設計されている。子どもたちがプロセスのあらゆる要素について決定することができ、全体を通じて学校や生活上の大切なことを学べるようになっている。
子どもたちは2〜3人のグループに分かれて、販売する商品の詳しい説明書を作る。それによって文章を作ることや語彙を実践的に学ぶだけでなく、商品の特徴をリストにすることで、ブランドや販路、サイズなどを測ることについても学ぶことができた。
品物の販売価格を決定する中で子どもたちは、需要と供給、粗利益と純利益、計算やビジネスの概念などを学んでいく。
チャップマンは、子どもたちが書いた各商品の説明をイーベイに入力する。何かが売れると、その商品が世界のどこまで行くのか、地図上にピンを刺していく。これは、地理の勉強にも、送料や販売手数料の勉強にもなる。商品が売れるたびに子どもたちが大喜びするのは言うまでもない。
商品には、子どもたちがお礼の言葉を書いたカードを付ける。これは、感謝の気持ちや人を大切にする心を育むことはもちろん、文章力の向上にもつながった。
販売の収益は、子どもたちの投票で毎月選ばれる慈善団体に全額寄付される。子どもたちはこのようにして、与えることの大切さや、慈善団体が実際にどんな変化を生み出しているかを学ぶ(チャップマンは、実際に生徒たちが支援先の慈善団体を見学にいくという計画を持っている)とともに、貧困と富についても学んでいる。ある月には地元の非営利のアニマルシェターを支援し、別の月には非営利の食事宅配サービスを支援した。
子どもたちは、マーケティングや、人との関わり方についても学んだ。チャップマンは、子どもたちに毎週、このプロジェクトについての配布用のカードを配ってもらい、誰にチラシを渡したかをみんなで共有している。
生徒たちはこのプロジェクト全体を、毎週たった1時間だけで運営する。この1時間で効率的なビジネスミーティングを行うのだ。子どもたちはそこで、どの商品が売れたか、どの商品を新たに出品する必要があるかを確認する。さらに誰が適切な価格を調べるか、商品説明を書くか、商品の写真を撮るかなど、様々な作業の担当を決める。
このプログラムは順調に拡大している。チャップマンはこれが他の学校にも、特に低所得地域にある学校や、特別支援を必要とする子どもたちの学校にも導入されるよう尽力している。というのは、このプロジェクトから得られる実践経験は、重要な概念を教える上で特に効果的だと見ているからだ。
このプロジェクトに参加した子どもたちの中には、親と一緒に個人のイーベイ・ビジネスを始めることに挑戦した子もいる。
さらに詳しくは、ガーデンシティ・モンテッソーリ・スクールの小学生のフェイスブックページと、イーベイニュースでの紹介記事をご覧いただきたい。
ガーデンシティ・モンテッソーリ・スクール Facebook
https://www.facebook.com/Garden-City-Montessori-2001265143419563
イーベイニュースによる紹介記事 (動画あり)
米NBCニュースの記事 (動画あり)