記事 選択、選択、そして選択

私たちは、気づけばいつも同じ行動パターンを繰り返しています。この「自動的制約」から突破するには?

ランドマークワールドワイド
ブレークスルーテクノロジーコースリーダー
ロジャー・スミス

自然の中の道は、歩くという行為によって作られる。ひとたびできあがると、繰り返しの行為によって作られたその小道に沿って、私たちは移動する。毎日通るので、よく踏みならされていく。私たちがその小道を通るのは、そこが平坦でもっとも歩きやすいからでもある。踏み固められた道をわざわざ離れるのは、労を伴うし、時にはリスクもある。**

これまで繰り返しやってきたことの「引力」――実は執着――は無視できない。私たちは、うまくいかないと分かっていてもお馴染みの自動的な行動パターンに戻りがちだ。例えば、自分の立場にしがみつく。危ない橋は渡らず安全にやる。自分の正しさを主張する、などだ。はるか昔に確立され、何度も強化されてきたこれらのパターンは、現在の私という人間や、私が目指していることとは一貫していない。トランスフォメーションとは、私たちのものの見方や行動を変えるだけではなく、自分という存在の根幹にある構造や解釈までをも白日のもとに晒してみることだ。トランスフォメーションは、「何が可能であるか」ということ自体をいま制約し形作っている、恣意的な概念や視点を取り外すことだ。

非生産的な古い「あり方」を手放すには、練習、勇気、そして実践が必要だ。さらなる高みを目指すと選択すること、つまり、私たちを可能性の方に引っ張るような枠組みをいろいろと発明し、維持し、行動を取っていくことであるが、それは一生続く実践練習である。つまり何度も繰り返し選択し続けるということなのだ。効果的でないことは手放していくーーこれを実践をすればするほど、自分自身を自由にするスピードと頻度が劇的に上がる。早期警報システムもできあがり、新しい環境と行動の道筋が確立される。その成果はあらゆる方向や分野に広がっていき、未来が一つの可能性のように生み出されてくるのだ。

** アルヴァ・ノエ『Out of Our Heads』から引用

 

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