記事 人間関係を壊していく小言や愚痴

小言が夫婦関係に与える影響とは「小言の悪循環」を明確にして、良好な関係を築くための秘訣を伝授します。                                                        

エリス・G・マッキントッシュ
スタテン・アイランド・アドバンス紙
2012年2月7日

最近、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、小言にどれだけ破壊力があるかを詳しく書いた記事を読んだ。口うるさい小言が結婚生活に打撃を与え、ひいては離婚にまで発展するというのは今更驚くようなことでもないが、多くの読者が冷や汗をかいたに違いない。この記事に対し、数千に上る興奮気味のコメントが寄せられ、多くの討論スレッドが立てられた。 (ネット上では討論スレッドが増殖している。)

『結婚生活を台無しにするもの』という、エリザベス・バーンスタイン*1が書いた2012年1月25日付けコラムは、はるか石器時代の昔から続く男女間の論争を再燃させた。
*1 ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニスト

「『ガミガミ』がきっかけとなって離婚訴訟に至ったケースがあるか」という質問に対して、アン・ルイーズ・ディパーロ氏は「ありますよ」と答える。彼女はニューヨーク市スタテンアイランド地区グラスミアに事務所を構える弁護士だ。

ディパーロ氏は、「そういう事例をたくさん扱ってきました。特に結婚生活が長い夫婦は、あれこれと要求されたくない、小言は聞きたくない、ただ平穏に暮らしたい、と思っています」と言う。

公認社会福祉士であるビル・ディベリィ氏は、ニューヨーク市のスタテンアイランド地区ニュードープで働いている。彼の元には多くのカップルが相談に訪れるが、時すでに遅し。一方がガミガミと小言を言い、他方がそれを無視するという長年のサイクルによって、結婚生活はすでに蝕まれている。そのような有害な関係を駆逐するには、カップルの会話の仕方を全面的に変えることが必要だとディベリィ氏は言う。

ディベリィ氏によれば、コミュニケーションがうまくいっていないケース(事例)の大半は、結婚生活の中に存在する「ガミガミ」のせいだと言う。

ディベリィ氏は、カップルの会話がたちまち暗礁に乗り上げるさまを典型的なシナリオで再現してくれた。夫はリビングでテレビに夢中。妻はキッチンから夫に手伝いを頼む。夫は返事をしない。妻はもう一度、大声で手伝ってくれと言う。返事がない。このサイクルが繰り返され、最終的にはいつも喧嘩になる。

こうした場合にディベリィ氏が推薦するのは、妻がキッチンを出てリビングに行き、夫に穏やかな声で話しかけることだ。そして聴覚信号だけに頼らず、視覚的な合図も送ることだ。

「今すぐ」を排除する
ジョスリン・ハーマンサッチオ氏は、個人の成長と発展の教育プログラムを提供する国際企業、ランドマーク社のコミュニケーション・エキスパートで、マンハッタンを拠点として活動している。彼女によると、カップルの衝突が頻繁に起きるのは、多くの女性が「今すぐ」自らの要望が満たされることを望み、そうならないと、繰り返し要望を言い続けるからだそうだ。

では、ハーマンサッチオ氏の推薦は? 「相手に『その用事をいつまでに済ませるか』を約束してもらうこと。なぜなら期待よりも約束の言葉の方が対処しやすいからです」

こうしておけば、頼んだ仕事が終わっていない場合でも、「何度頼めば分かってくれるの?」と言う代わりに、「これ、今日までに済ませるって言ったけど、まだ終わっていないよ」と言える。

パートナーにもあなたの目標に同意してもらうには、あなたが使う声の調子や言葉選びも、とても大切だ。

ハーマンサッチオ氏は「言葉には力がある」と強調し、「言葉には、物事を描写する言葉と、物事を創作する言葉との2種類があります」と説明する。

「一緒に過ごす時間を全然作ってくれない」という言葉と、「愛しているから、もっと一緒に過ごしたい。デートの時間を作ってスケジュールに入れましょう」という言葉とを比べて欲しい。前者は状況を否定的に描写している。後者は行動計画を生み出している。これらの違いが相手にはどう響くだろうか?

「コミュニケーションのスタイルが全く違ってきます」とハーマンサッチオ氏は言う。

相手を聞く技術

ディベリィ氏よると、コミュニケーションするときに最も重要なのは「相手を聞く」技術であるが、この技術力が低下している場合に頻発するのが、「口うるさく言う」という行動だそうだ。

一番のルール違反は、相手が言いたいことを言い終わらないうちに遮ることだ。 もしかしたら、ガミガミ言う側も言われる側も同罪かもしれない。

ディベリィ氏が、カップルセラピーの一環として行っているロールプレイはこうだ。まずカップルに「相手の話を遮らないように」と依頼し、片方に話をさせる。それから交代してもう一方に話をさせる。カップルが自宅で話すときも同じように、互いに対するこの礼儀正しさを実践すべきだ、と彼は言う。

コミュニケーションスキルを磨くためには練習が必要だ、という点はハーマンサッチオ氏も認めるところだ。筋トレと同じく、コミュニケーションにも定期的な鍛錬が必要だと彼女は指摘する。「人はエクササイズなしで引き締まった身体を手に入れたいと願います。コミュニケーションスキルに対しても同じように願っているのです」と、ハーマンサッチオ氏は言う。

ハーマンサッチオ氏によれば、夫婦関係を蝕んでいくのは、直接パートナーに言っていることだけでない。パートナーに関して、あなたが自分自身や他の人に対して言っていることも、夫婦関係に影響すると言う。

彼女は警告する。「あなたがパートナーについて、周りにどう話すかを意識して下さい。パートナーは怠け者だと周囲に愚痴を言えば言うほど、怠け者だという認識が強まり、ひいてはそれが現実になっていきます」

ハーマンサッチオ氏は、人間が一度に二つのことに集中できないということに基づいて、次のように付け加えた。「うまくいっていないことに意識を向けていると、うまくいっていることに意識を向けることができません」

だから、パートナーに協力してもらいたいときは、「本当に欲しいことは何か、その本当に欲しいことを満たすための行動は何か」に意識を向けることだ、という。

最後に、コミュニケーションの専門家のハーマンサッチオ氏は以下のように結ぶ。「自分が本当に欲しいことと、相手が欲しいこととは同じではない、という現実を受け入れなくてはならないでしょうね」

そうすると、カップルは何らかの妥協点を見出すことができるし、または、(この先は読みたくないだろうが、)甘んじて不足を受け入れる、ということもできるだろう。

その場合は、カップルは何らかの妥協点を見出すことができるだろうし、さもなければ、不満足のまま何も言わずに妥協することになるだろう。

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