記事 妊産婦死亡率を減らすためのプロジェクト

ジェシカ・ハートマン

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バークレイ・スミス氏とフレディ・トヴァル氏は、世界で最も貧しく最も危険な地域で生きる女性と幼児のために闘っている。

この二人の男性はランドマークワールドワイド・ブレークスルーテクノロジーコースの卒業生で、世界の妊産婦死亡率を減らすプロジェクト「MIMSI」を一緒に立ち上げた。MIMSIは、「母子保健改善プロジェクト」( Modification in Mother-Baby Statistics initiative)の略称。世界では未だに、毎日1,000人以上の女性が出産や出産時の合併症によって命を落としている。

このプロジェクトがスタートを切ったハイチでは、妊産婦の死亡率は出産35件につき1件の割合だ。プロジェクトでは、母親の死亡率を減らすために以下のような活動を行なっている。

●母親の出産前診察の受診数を大幅に増やし、また、出産時にリスクのある妊婦のための病院と健康センターを増やす。
●女性のための性と健康についての教育の機会をより多く提供する。
●リスクの高い分娩を大幅に減らす。
●思春期妊娠を減らす。
●医療サービスを受けることを阻害する要因を取り上げたドキュメンタリー映画を制作する。

トヴァル氏は幼い頃、母親が虐待されるところを目撃し、それ以来、なんとかして女性に貢献したいと思ってきた。女性が世界の至るところでひどい扱いを受けているということに、若くして気づいたからだ。自分の母親の守り手になったトヴァル氏はやがて、できる限り女性たちを助けようと心に決める。コロンビア大学卒業後はジョンズ・ホプキンス大学で学び、産婦人科医となった。トヴァル氏は、女性が日々遭遇する様々な困難に深く同情し、出産という最も創造的かつ無防備な瞬間の女性たちを、医療によって支え始めた。やがて彼は国境なき医師団に入り、アフリカに渡る。

そこでは、身重の女性たちが診療を受けるために何マイルもの険しい道のりをかき分けてやってくる。トヴァル氏は子供の幸せのためなら自らを犠牲にすることも厭わない女性たちの力強さに感動した。世界中の女性たちが善き母になるためなら何でもしたいと願っていることを痛感したのだ。

職業人として人生の岐路に立ったとき、トヴァル氏は変化の必要性を感じた。そして、2010年10月にランドマークワールドワイド・ブレークスルーテクノロジーコースに参加した。トヴァル氏はランドマークワールドワイドのカリキュラムに参加し、「人に尽くす(serve)」という全く新しい可能性を生み出した。ウィズダムコースに参加した際には、夢の実現のために人と一緒に仕事をするには何が必要かを発見した。

バークレイ・スミス氏はランドマークワールドワイドでトヴァル氏と出会い、彼の熱意と能力に感激して、このプロジェクトのパートナーになった。バークレイ氏自身の経歴も、女性に手を差し伸べたいという情熱をごく自然に育むものだった。メキシコに住んでいたときに、開発途上国の人々の苦しみを目の当たりにしたのだ。バークレイ氏の家族も出産に関連する問題を経験したことがあり、彼自身幼い時からその影響を受けていた。彼はこのプロジェクトが子どもを産む女性を力づけていることに心を動かされた。同時に、医療従事者はなかなか感謝してもらえない職業であることも、身を以て知っていた。彼が心に決めているのは、一見望みのないように見える状況においても、知識と機材を駆使して医療従事者を力づけていく、ということだ。

バークレイ氏は、あるとき妹と話していて驚くべき事実を知った。彼の祖母も、1940年、アルバ島(※注1 カリブ海にあるオランダ領の島。19世紀以降石油精製産業で繁栄した。)に住んでいたときに死産を経験していたのだ。祖父はエクソン社の石油エンジニアだった。今、トヴァル氏とバークレイ氏は一緒に奇跡を起こそうとしている。

 

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