記事 「まだ可能性でしかない未来に立場を取る」

著者 ヴァント・グループ最高経営責任者 スティーブ・ザフロン

未来を創造するという行為は言葉の中に存在します。それはビジョンを言葉ではっきりと言い表すことに始まり、会話を通して命を獲得していきます。リーダーシップの心臓部は、対話の能力、人間関係を構築する能力、そして会話の能力だと見ることができます。ちょうど芸術家や詩人が物事の異なる見方を提示するのと同じように、リーダーたちは、何が可能かについての別の見方に人々の注意を向けさせます。

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ペルーのある鉱山会社では、労働者に対して明確な階級制度を敷いていました。それを目に見える形で示すために、労働者のヘルメットは階級別に色分けされていました。金色は上位を、緑色は下位を意味し、そのコンテクスト「分をわきまえよ」が、労働者間の人間関係を規定していたのです。そこには常に緊張が存在し、業績は低迷していました。このような状況があり、それは “事実” でした。

この会社で、全社的な業績改革事業の一環として、社内の改革グループが未来のビジョンを創作する会話を始めました。グループのリーダーは、ヘルメットの色分けが新しいビジョンに相応しくないと判断し、全員のために揃いの白いヘルメットを発注しました。それが届くまでの間、お互いにヘルメットを交換してかぶらせたため、その色には何の意味もなくなりました。労働者は、自分たちが鉱山の未来の重要な一部であることを見てとることができ、分断されていた役割の壁を乗り越えてチームと一体であることを実感したのです。彼らは自分たちの未来をこれまでとは全く違う風に見始めました。そして業績が劇的に変化しました。

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リーダーシップに必須なのは、勇気と、立場を取ることと、人間の行動についての洞察です。ある人が何を選択し、どう振る舞うか——つまりその人のパフォーマンスは、その人が「どう世界を見ているか」とじかに相関しています。私たちが未来を創作しその未来に自分自身を投げ込んでやれば、その未来が新しい領域を開示してくれます。そしてそこから生まれてくること、引き寄せられること、私たちが起こせることは、通常の予想の範囲を遥かに超えるものとなります。

『ブレークスルーリーダーシップ 観念から実際の影響へ(Breakthrough Leadership: from Ideas to Impact)』より編集。

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http://landmarkinsights.com/2012/10/standing-for-a-future-when-its-only-a-possibility/#sthash.tuID1gcd.dpuf

 
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