記事 怒りを建設的に伝える方法 ~愛する人との関係のために~

米ウォールストリート・ジャーナル誌が、ランドマークワールドワイドに取材。怒りを正直に伝え、相手との関係を深めるヒントを紹介。
下記はウォールストリートジャーナルに掲載された記事です。

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ランドマークワールドワイド ブレークスルーテクノロジーコースリーダーである、ナンシー・ザポスキーは、コミュニケーションを通じて、アップセット(動揺した状態、気が動転した状態、怒っている時など・・)から上手く抜け出す方法について、ウォールストリートジャーナルの記事で取り上げられました。この記事では、ザポスキーはアップセット(動揺した状態、気が動転した状態、怒っている時など・・)している状況において、相手にただ怒るということなく、コミュニケーションする方法について話しています。「目的は、何かを打ち明けて胸のつかえを下ろすとか、相手に何かをぶちまけるということではありません」とザポスキーは言います。「ここでの目的は、その人間関係に親しみや愛を取り戻すことです」「この記事では、かつては絶えず喧嘩をしていた兄妹が、ランドマークワールドワイド フォーラム(ブレークスルーテクノロジーコース)への参加後、彼らの対立を解消したことも取り上げられています。」

記事の全文はこちらへ:The Wall Street Journal.

「ちょっと今話せるかな?」
「君が僕を怒らせる気がなかったことは知っているけど、怒らせた。この雰囲気を一掃して、またお互いに一緒にいて楽しい関係に早く戻したいと思うんだ」。

ウォールストリートジャーナル紙のエリザベス・バーンスタイン記者がニューズハブを訪問して、サイモン・コンスタブルに、自分が怒っていることを誰かに伝える、さまざまな方法について説明した。
そんな話、聞いたことがあるだろうか? もちろん、ないだろう。
パソコンや携帯のメールから、キツいメッセージを簡単に発信できる現代の文化の中では、実際に顔を合わせて怒りを正直に表現するのは難しい。誰かが自分を怒らせたら、私たちはほとんどの場合、声を荒げるか、無視するか、あきれるか、絶交するか、他人に愚痴るかだ。または、怒ってはいないと自分に言い聞かせ、 無意識に怒りを押し殺す――ある日、一見些細なことに対して怒りを爆発させるまでの間は。
当然ながら、どれも私たち自身にとっても、その人との関係にとっても健康的とはいえない。大抵の人は、怒りをより建設的に表現する方法を学ぶことができる。
最近ある心理テストを受けてみた。このような心理学的なツールが、愛する人たちとのコミュニケーションの質の向上に役立つかについて記事を書くためだった。 私のテスト結果を分析してくれた心理学者によれば、私は対立を嫌い、人に腹を立てることを必死で避けようする。その結果としてときどき、自分が怒っている ということをなかなか相手に言い出せず、実際に口に出すときには怒りは激怒になっている、ということだった。
これで、なぜ愛している人に対して怒りのあまりにひどいことを言ったり、相手を傷つけたりするのかの説明がつくだろう。ロサンゼルス在住の精神科医であり、”Just Listen: Discover the Secret to Getting Through to Absolutely Anyone”の著者でもあるマーク・グルストンはこう説明する。「怒りは防御作用です。気持ちが傷ついたことへの反応です。突然何かにがっかりした、予期せぬことで傷ついた――そんなときに、さらに傷つくのを避けるために噛みつき返すわけです」。

自分を表現するための5つのステップ
腹を立てたとき、ほとんどの人はそのことについて話すよりも、怒鳴るか、黙ってしまう。怒りを建設的に扱う方法がここにある。

1.まず、気を落ち着かせる。散歩に出てもいいし、ちょっと寝てもいい。全体像をつかみ、自分の感情を鎮めてやる。自分が何にがっかりしたのか、はっきりさせる。話をしよう、と相手に頼む。例えば「いつなら都合がいいかな」など。

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2. その会話が難しい会話であることを認める。「私にとっても言いづらいし、あなたにとっても聞きづらいことかもしれない」など。これを実際に声に出して言うことによって、あなたの言葉が相手にとってそれほど脅威でなくなるし、相手の怒りや防衛的な反応も和らぐかもしれない。

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3.話す時の言葉は、「私は」で始める。「あなたが」で始めない。「あなたがこれこれしたのは間違っている」と言うのでなく、「私は気持ちが傷ついたんだ、あなたがねこれこれした時に」というふうに言う。ロサンゼルス在住の精神科医であるマーク・グルストンによると、「人を糾弾しても、相手がやり返してくるだけ」。あなたが本当にはどう感じていたかを分かち合うと、それが相手の人の気持ちにも余裕を与えます」。

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4.なぜなのかを突き止める。相手の観点について質問する。例えば「あなたは私を傷つけるつもりでしたのではないと思う。なぜこれこれをしたの?」そして、本当に相手の答えに耳を傾ける。

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5.何もかも言う。あなたは包み隠さずすべてを言い、自分は将来この状態をどう変えられるかについて話す。「次回はこれを違うふうにしてくれる?」ここでハグしても悪くないだろう。

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怒りをどう見せるか、または見せないかも、他の様々なことと同様に、私たちは自分の両親から学んできた。あなたの家族は怒りを押し殺しただろうか、それとも 激しい口論をしただろうか、またはお互いに口をきかなくなっただろうか。豊富なカウンセリング歴があれば別だが、そうでない限り、今のあなたは、その時の親と同じように反応しているはずだ。
ラス・ウォートン(40歳)はノースカロライナ州のヘンダーソンビル市でバーテンダーをしている。彼は礼儀正しい南部の家庭で育った。両親は彼の前では決してけんかをしなかった。両親の口論が始まると、彼は自分の部屋に行かされた。彼の妻のタミ・ダル・ボ(40歳)はマッサージセラピストである。彼女の実家は、開けっぴろげで気持ちを隠すことは滅多になかった。タミの両親は、タミの前でも、何のためらいもなく口論をした。
ウォートン氏は自分自身を、衝突は避けようとするけれども、受身になることで攻撃するタイプだと認めており、怒ったときに嫌みなことを言うことがあると認める。

夫人のダル・ボの方は、堂々と怒りを表現する。怒りのあまり、何日か夫に口をきかないこともある。
最近ダル・ボは夫に腹を立てた。14歳 になる娘(彼女にとっては継娘)に部屋を掃除させてくれと夫に頼んだが、無視されたのだ。台所でしゃべっているときに、ダル・ボは夫に、「あなたは親としての務めを果たしていないと思う」と言った。ウォートンは、自分は娘を罰するのではなく、育もうとしているのだと言い返した。夫人は怒ってその場を立ち去 り、寝室に入って鍵をかけた。夫とは2日間口を利こうとしなかった。
ウォートン氏は、傷ついたと言う。「寝室に鍵がかかって閉め出されたときにはいつも、これはまずいと分かります」。ダル・ボは自分の振る舞いを「子どもじみている」けれど、あのときは必要だったのだの」と認める。「すごくがっかりした。だから後から後悔するようなことは言いたくなかった」。
怒りを押さえ込むと、問題になる。一旦怒りはじめたら、その怒りが爆発してしまうかもしれない。怒り狂っているとき、脳内では、戦うか逃げるかの準備のために、アドレナリンを含む様々な化学物質の嵐が吹き荒れる。困ったことに、この状態は何時間も続くことがあるのだ。女性よりも男性の方が、この化学物質の放出が収まりにくい、とグルストン博士は言う。
怒りは伝染することもある。脳の中で模倣や学習や共感を司る部分にあるミラーニューロンが、私たちに無意識のうちにお互いのマネをさせる。人のあくびがうつるのもこれが原因だ。絆や協調を促す自然のしくみなのだ。困るのは、よいふるまいだけでなく、悪いふるまいもマネしてしまうことだ、と博士は言う。誰かに怒鳴られると、自分のミラーニューロンが発火をしてやり返したくなるのだ。
心理学者で、ランドマークワールドワイド(サンフランシスコに本社がある、個人の能力開発のための会社)の副社長でもあるナンシー・ザポルスキー博士は、怒りを増幅させないでコミュニケーションする方法について、20年にわたり様々なプログラムやセミナーの中で教えてきた。「困るのは、怒りを溜め込んでいるときです。何かを言わないで押し殺しているときに、相手との親密さは絶対に可能ではないからです」とザポルスキー博士は言う。

ザポルスキー博士は、怒っていることを相手に伝える前に、まず何のためにそれを打ち明けるのかを思い出せと助言する。「自分の胸のつかえを取り除くためでもないし、相手にぶちまけるためでもありません。怒りを打ち明ける意図はその人との間に親密さや愛情を回復することです」。
ザポルスキー博士は言う。「まず自分に尋ねることです。なぜ私はこんなに怒っているのか。どんな期待が満たされなかったのか。どんなふうになってほしかったのか。これらの質問に答えていくと、自分自身の気持ちをより理解できるし、言う必要のあることに焦点を絞ることができます。人は、あなたの心を読んではくれません。あなたが、自分が何を欲しているのかを伝えることが重要です」。
ジョアナ・バーグラフ(30歳)と弟のピーター・バーグラフ(28歳)は、長年にわたって姉弟げんかを繰り返していた。怒鳴り合ったし、電話を叩き切ったこともある。ジョアナは泣き叫んだこともあった。ピーターは怒りのあまり、壁を殴ったことあった。
数年前にこの二人は、それぞれランドマークワールドワイドのプログラムに参加した。そこで、人と衝突したときに取るべき3つのステップを学んだ。そのステップは、「1. なぜ自分がなぜ怒っているのかを相手に伝える。2. 相手がなぜその行動を取ったのかを発見する。3. 今後はどう違う風にしてほしいかを相手に明確に伝える」ということだ。
イリノイ州のホフマン・エステート市の銀行員であるピーターは、最近、ランドマークワールドワイドで学んだことを実践に移した。姉が、恒例の土曜日の午前中のエクササイズの時間に毎回遅刻してくる。ある朝、1時間以上待たされたとき、彼は姉に言った。「ねえ、これは言っておかなければいけないのだけど、姉さんが遅れると、僕の残りの一日がめちゃくちゃになってしまうんだ。今後もこれが続くなら、これ以上エクササイズに付き合うことはできないよ」
マウント・プロスペクト市でグラフィックデザイナーをしているジョアナは、弟の言葉をしかと受け止めた。「今では、間に合わないとわかった瞬間にそれを弟に 伝え、どうしたいかを尋ねるようにしています」とジョアナは言う。遅刻しない、という新しい試みが成功して、今ではエクササイズの後に2人でブランチを楽 しむまでになった。
誰かにあなたが怒っていることを伝える必要がでたら、この方法を試してほしい。
まず、自分の怒りを自分のものとして所有する。「私はこのことが起きるのが嫌なのだ」と自分に言う。話し始めるまえに、まず、自分が怒っていることを認める。グルストン博士によれば、これが感情にのみ込まれる前に脳の理性的な部分を機能させる助けになるそうだ。

散歩をしてもいいし、眠ってもいい。それによって落ち着いて全体を見られるし、相手にも時間を与えることができる。しかし、黙っていなくなってしまわないこと。相手には「話したいけど、少し気を落ち着ける時間がいる」と言っておく。
それから、自分が何にがっかりしたのかを突き止める。それは、今現在の状況そのものではなく、その下に隠れているものかもしれない。
そして、相手に「話したい」と言い、いつなら都合がいいか尋ねる。
話すときは正直に、自分の気持ちを伝えること。「普段だったら怒るか、あなたを閉め出しただろうけど、今回はいつもと違うふうに扱ってみたい」と言う。この一言が、相手から無用な警戒心を取り払ってくれる。
相手に、これがあなたにとっていかに難しいかを伝える。「こうやって話すのは、私にとってはとても勇気が必要だ。あなたにとっても、このように聞くのは難しいことかもしれないね」と。
すべてを話す。なぜあなたが腹を立てているのか、正確に相手に伝える。「あなたが」という言葉は使わない。「私は」で始める。つまり「あなたがこれをしたのは間違っている」とは言うのでなく、「あなたがこれこれをしたとき、私は辛かった」と言うのだ。
理由を発見する。「私を傷つけるつもりでなかったことは知っている。なぜこれこれをしたのか?」
あなたが、今後起きてほしいと思っていることを明確に伝える。ハグしても悪くない。

Eメール エリザベス・バースタイン Bonds@wsj.com
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